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詩人:ハト
私は知らない振りをする
図書館のディスプレイ
動物の本のコーナーに
象と耳鳴りが並んでいた時も
違和感を感じながらも
お決まりのまぁいっか、で
そのままスルー
007のあの余裕たっぷりのトークが嫌いだ
なんてどうでもいいこと考えてみたり
君の優しさも
あの娘の痛みも
あいつの慈しみも
あんたの憐れみも
私は知らない振りをする
だって世界は
まぁるく回ってゆくものだから
このひとつなぎの世界を愛しているから
そのうちこの地面が凍って
あなたのもとに辿り着けなくなってしまっても
きっと知らない振りをする
だって世界はまぁるく回ってゆくものだから