詩人:旅人モドキ(左利き)
花から実になるの知らなかったよあの日きみと散歩した公園には 小さなすみれが並んで咲いてたなお互いに顔を見合わせて笑うとき遠く離れた所に引越すだなんて まったく頭に思い浮かばなかった朝もや煙る住処に根づくたんぽぽなにもかも凍える季節が流れ去る 今きみがあの地に残り立つのならやがて綿毛に乗り荒波や野を渡り長めのあじわい豊かな鼻うたを ねえ弱音など添えて送りたいんだ涙のにおいなんか消えているのに