詩人:是清。
届かない/直ぐ傍の君迄/追ひ掛ける背中/君は振り向かない・何でも無い日常/無機質な硝子の熱/微かに/けれど確かに/隙間風が吹いてゐた/何時もの帰り道/繋がる指に永遠を感ぢてゐた/紛らわしい事は止めて/下らない明日の為/弱々しい声は何を感ぢてゐるの?・冷たい朝/小さな躯震わせ/扉開けて/其れでも/泣き疲れて/君を追ふ事は出来ない/自身の傷を深めて/君の傷を慈しむ事も出来ず/逃げるのは止めて/君の居ない朝等/滲むだ瞳は何を求めて居るの?/君の居ない世界等/雨の中/君の冷たい躯離しはしない/巻き戻しもしない/唯ひたすら/僕を喚で。