詩人：けむり

なぜ　産まれたのか…。
それを考えるといつもある疑問にぶち当たる。
『魂の行き着く究極の場所とは？』
いまだ解き明かされていない宇宙の質量なんて知りたかないし、
人と人の出会いに運命って概念が介在しているのかも興味ない。
ただ、おれはどこへまでたどり着けるのか？
それが知りたい。
その疑問を解き明かせばあらゆる不思議が解ける気がする。
【魂】は存在する。
単なる概念ではなく。
それは確かだ。
ハッタリじゃあなく自分の心臓を止めようと、
意志の力で死を成そうとしても不可能だという、
それがつまりは【魂】の抵抗だ。
ポロッと産まれた体だが、
産まれたからには【魂】が生きようとしている。
では、
なんのために生きようとするのか。
自然に考えりゃあ子孫を残すためか？
だが愛された子供ではなかったおれに、
子供を愛せる自信はないし、
そもそも欲しくもない。
では、なぜ？