詩人:花
騒がしいネオン街
浴びるほど飲んだアルコール
ハイテンションな言葉と裏腹なエモーション
ただ
どうにかなってしまえ と笑い続けた
光化学スモッグに月が隠れて
優しい貴方は何処かに消えて
あったはずの温もりや
寄りかかれる肩が
今はもうない事を…
躓いて転んだ
道路の真ん中で
実感した
名前を呼ぶ声が好きだった
髪を鋤いてくれる手が好きだった
回した手の感覚や
息遣い
体温
声
ニオイ
少しずつ消えていく
少しずつ忘れてく
フォルダに残った写真
留守録に残った声
アドレスに番号
あなただけの着信音
鳴らない
もう 消さなきゃいけない
白んだ朝を向かえて
隣にいた知らない誰かを
あなたの名前で呼んでみて
さよなら した
夜が明けて
朝を向かえて
痛みを覚えて
後悔を知って
優しさを痛感して
曖昧になる前に
鍵をかけた
あなたを愛した私
あなたに愛された私
忘れない