詩人:Ace
春
夏
秋
冬
変わらず毎年やってきては逃げてゆく
当たり前の事
木々が芽吹き
風がそよぎ
鳥たちは大地とさえずり
海は対岸へと熱を運ぶ
変わらず巡る事こそ
奇跡の連なり
南風が水滴の存在を許さないから
騒ぎ出す虫たちの声
海は相変わらず碧を嫌い
空も相変わらず青を嫌う
砂の海でもたくさんの
命の弔いするだろう
裏表のある腹黒い月を空間の歪みにねじ込み
遊園地のコーヒーカップのように見つめながら回る
そんなちっぽけな世界
星と語らう一方で
見えない線で区切られ仕切られ殺される
そんなちっぽけな世界
いずれは恒星に飲み込まれ
50億年もたないだろう
そんなちっぽけな世界
そんなちっぽけな世界だけどね
60億もの宇宙が詰まってて
誕生しては消えてゆく
ヒックズ粒子て満たされてはいないけれど
日々繰り返すインフレーション
決して晴れ上がる事のない命の旋律
ゆえに私は思う
シェイクスピアにならって
ちっぽけでも猛々しいとね