詩人:久穏
真っ赤に染まった手
この手で 君に触れてはいけない
真っ白な君
真っ赤な僕
真っ白な君を僕は汚してはいけない
真っ赤な僕に差し伸べられた手
それは真っ白な君の手
握ることが出来ない
握ってしまえば 君は紅く染まる
涙流す僕
その滴だけは まだ紅く染っていない
真っ赤な僕の 唯一の無色
握れない手を 僕は何時も求めていた
だけど、求めるだけ
触れてはならない
越えてはならない壁
真っ赤な僕を 君は悲しそうに見つめる
真っ白な君を 僕は憧れている
どんな色にも 染まらないで
紅くも黒くも 染まらないで
ただ その色を守って
真っ白な君 真っ赤な僕
お願いだから 僕に近寄らないで
僕は きっと 君を汚してしまうから
真っ白な君を 僕は汚してしまうから
だから 遠くから 君を見守らせて