詩人:善田 真琴
来し方、人に語り散らせし言の葉ども、或は己の為せる由無し事の草々、後々に思ひ返せば白波の、夢は現つにうち洗はれて、浮かぶかと思へば、かつまた沈みて、我ながら傍ら痛く面目なき事こそ多く侍れ。
三つ子の魂とかや、三千世界に生を受けて、最初の過ちはいづれ尽くると定まりたるに逆らひて、泣き泣き生まれ出でたる咎なれや、慾に駆られて身を焼きて、得られぬ苦しみ、得らるれば失ふ恐れに、双六の上がる伝なく下りる術なき人生遊戯、心に安棲の住処とてなし。
六道に
五里霧中で
四面楚歌
三千世界に
二物無きひと