詩人:緋文字
何もかも睨み返して
生きるために
決して見逃さない子供
だったろう…
ある意味当たってたのか
あなたは私を
捕える様に見逃さなかった
それが多少なりともの
柔らかい意味を持つものであれば違っていただろう
その突き刺すような眼に
ゾクゾクして
何度も抱かれた
その閉じることなく見下ろす眼が見たくて
私は何度も見返し見開いて
恋愛ではなく
ただ填まった
初めてだった
好きな所より嫌な所をあげれる男に
嫌いになれない
執着した
でも時折
私が母親だったなら
あなたを捨てずに
抱いたわ
頑として外さない癖のある眼を見て
疵のある厚い躰を見て
弱くて寂しげな子供のあなたをも
私は幾度も
抱いたのよ
抱いているのは 男から
ばかりではないわ