詩人:村和緒
語気を荒げて居ると
飛び込む本がある
私の頭頂部が階段の天井を突く頃に
ラマルクの用不用説をとく僧が
その本を頻りに勧めながら。
私は季語辞典をお湯に突っ込ませながら
階段の天井に頭をぶつけた時に
モーツアルト魔笛を聞いて居た
魔笛のスクリプトが水分を吸って膨張してきたので
図書館から帰った後に
ブラームスのピアノ協奏曲第2番を寝ながら聞いて居ると
ひたいにうこんの力がみなぎって来て私の前を一輪車に乗った
小学生が通過してきて私をタワーへと登らす
語気を荒げて何も言い事は無い
小学生が怪我をして
護摩壇の前でお祓いを受ける
そこにラマルクの用不用説を説く僧が現れて
頻りに季語辞典を読むことを薦める
モーツアルトの魔笛は告げる
本の内容をしき写しするよりは
ちょっとは改変して自分なりの言葉で書いた方がいいと。
でもそれも時と場合によりけりなんだよなと。
ブラームスのピアノ協奏曲第2番は告げた、ひたいから。