詩人:ミチル
私の街では時間が
刻々黙々進んでいる様子です。
私はあの時から、
あの腕時計をつけるのを止めたのです。
おっちょこちょいな私が
あなたが好きだと勘違いして
おみやげに買った手帳以外、
あなたの集めたものは、
私の時計と同じ刻印のもの沢山。。
他のものは一つにまとめて、
まだ目を反らしてる
クローゼットの奥に。
ガムテープで厳重に神聖に。
そう、
誕生日にもらったバッグ。
交換こしたワンピース。
ダイヤモンドのネックレスと指輪。
キラキラの物達。アロマポット。
銀色のじょうろ。カシミアの膝掛け。
小さな籠。海の底の涙の真珠達。
それに、
ばっかにたいに痩せた私の
躯に合わせて縫ってくれた洋服達。
(今じゃ太って合わないのよ がっくりしないでね)
だけどね、いっつもしてたから、
だからかな?
腕時計は何だか、
あなたの手紙と一緒の箱に入ってるの
手紙はさ、手紙だけはね、
時々読めるの。反らしながらも。。
段々ふるえてゆく文字の手紙・・・・
涙の粒と私の宝物。
あなたに時間なんてないのにね。
多分。
あなたの世界にはもう時間なんてないのにね。
だけど、一緒に時を刻んでると信じたいのよ。
それか、
それか、永遠に明けない年を過ごしたいのです。
ちゃんと掃除は終わったからサ。心配しないでね。