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詩人:どるとる
いつのことでしたでしょうか
ある日ある時間に僕らは別々に生まれた
同じ世界に
そうして僕らは出会い今こうして愛し合うに至るんだ
地球を包む人々のぬくもりが熱を帯びる
もしも僕のこの気持ちを一言であらわせるような言葉があるなら今すぐ君に伝えたい
僕はただひとつひとつ言葉を紡いで君に伝えることしかできない
それでも君を死ぬまで愛し合うことを誓うよ
君のおなかの中に広がる宇宙に
いくつもの
おたまじゃくしを届けるよ
その中のどれかがカエルになれる
その日まで僕は待ってる
僕らがカエルになったみたいにおたまじゃくしはやがてカエルになってこの世界に顔を出すだろう
僕らの腕に抱かれて
こんな小さな物語をなぜこんなに真面目に話すのかは
きっといつか消えてしまうからだ
残酷なほど時間は流れてゆく
だからだからこの大きな世界ではほんの小さな物語でも僕らには大きな大きな物語なんだ
誰もがそれを描いてく
そしてやがてその日々を描き終える日がきて筆を置く日まで
僕や誰かは大切な人ときっと浮き世を泳ぐのだろう
青い地球に生まれた最大の喜びは君と出会えたこと
そして君とのカエルを抱きしめられること
小さなこの僕らの中に咲いている花は
やがてしおれてしまう残らず
だけれど君たちと出会えてよかったよ
何よりもかけがえのない出会いと別れのストーリー
今 たくさんの涙が青い地球にこぼれ落ちて
青い地球をさらに青く染めるよ
カエルの親子は日々を不器用に泳いでゆく
三人 手を繋いで
この悲しみを平泳ぎでこえていく
そんな物語
なんて素敵なんだろう
誰かがくだらないって言ったって確実に僕には宝物
やがて消え去る命をもつ人には宝物
いつの日か愛した記憶やはぐくんだ日々を忘れても
愛した記録やはぐくんだ記録は消えない
それはたしかな真実なのだから
僕らは永遠へ泳いでゆく。