詩人:快感じゃがー
ああ
またごみを出さなきゃ...
そんな一人言で
独りになったことに
気づいた
彼はいない
自分で出て行った
鞄一つで
彼女の元へ
生きているから
廃棄物は出る
絶え間なく
絶え間なく
毎日がその繰り返し
でも本当は
薄々気づいていた
あたしは塵の一つで
みんな塵の一つで
彼も塵の一つに
過ぎないこと
世界に蔓延る
「要らない物」は
きっと人間なんだ
処分するべきなのは
この部屋じゃなく
彼の忘れ物じゃなく
あたしの心
理解っているけど
いつも優位なのは
結局
こちら側で
残酷なほど
世界は静かだ
庭に撒いたパンくずを
雀が群れになって
つついている