詩人:高級スプーン似
心象風景に咲く花は
わたしの内側にあって
こうして
思い描かなければ
誰にも知られることは
ありません
放っておけば
やがて
記憶の彼方に追いやられ
人知れず
枯れてしまう
人の夢にも似た花で
そうなる前に
押し花みたく
仮想世界に言葉を挟み
あなたの目に触れる場所へ
けれども
それは創られた花
ありのままを
思うままに描いてみても
わたしの心に咲くそれとは
似て非なる言の花
見た目も
想いも思い思いに違う
あなたの目に届く頃には
別物になっています
確かめようもありませんが
現実でも
此処でも個々の
平行線のわたしたち
いくら筆舌を尽くしても
読めない気持ちに
変わりはなくて
ひとりぼっちに
代わりもなくて
それでも
ひとりひとり
互いに目を背けなければ
ひとりとひとり
視線は交差しますから
今宵も想い
描くのです
仮初めでもいい
心のうちに咲く花を
表に出ない感情を
うたにして
ハローハロー
あなたに
伝えてみたいのです