詩人:どるとる
ひとつだけある
たしかなもの
それは時に見え隠れする
なんとなくそれを僕は見つめてるだけ
切なさのように
侘びしさのように
憎しみのように
そっと胸を突き刺す
痛みがひとつ
夕暮れ 茜色の空 誰かの帰り道の背中
照らし出すように きれいなメロディ流れる
ギターもいらない 歌声だけが僕の全て
楽器などいらない 僕の命がその代わり
切ないと叫べば 助けてくれるわけでも
悲しいとつぶやけば差し伸べてくれる手があるわけでもない
僕にはただひとつだけ
そうさ 独りでも強く生きている 僕は僕のこと誇りに思ってる
いつの間にか隣に図々しく座る夜に
星はいくつも輝いて 僕の涙を誘うよ
足音をコツコツひびかせて 雑踏の中に消えてくその背中に光あれ その背中に光あれ。