詩人:どるとる
笑いたおしてしまおう 胸を抉る悲しみも
謝りたおしてしまおう 一生あってもはらいきれない罪さえも
終わりを告げた命に
用はない 用はない
死に神がいたら きっと多分命の終わりに少し箔がつく
ただのさよならなら飾りがついたほうがいい 意味のない涙も少しは輝く
葬式の夜は 長く長く続いた 彼の死に際に 僕は聞いた
楽しかった またあの世で酒を酌み交わそう
笑った顔が印象的だった
痛みもなく 逝ったから 良かったとだけ
親族に伝えたよ 本当の気持ちだけ
なぜか浮かぶ涙 橋の途中で 車を停めて
窓から 夜景を見た
彼がよく行ったあの展望台から 静かに浮かぶ街並みを見た
さよなら友達 まあ安らかに眠れ
さよなら友達 線香をあげる
それじゃまた
近いうち 遠いうち
元気だったら
来るから ここに
笑いたおしてしまおう 胸を抉る痛みも
遊びたおしてしまおう 金のなさ 情のなさ 全てもう振り出し
夜は 静かに 今日もやって来て 何も知らない人たちの 傍ら
泣いてる 意味を知らない人たちの 瞳に映る僕らはどんなに惨めでも 誰かを責めずにただあなた思う
それだけでいい。