詩人:月島レナ
俺は大切な者を
守る為に
あいつを殺した
自らこの手を
血で染めた
俺があいつを殺したと
知ったとき
彼女は言った
「『誰かの為に』を
言い訳にしない事だよ」と 「やってしまった事は
仕方ない
この事を知ってるのは
私達二人だけなら
誰にも言わずに
どこかへ
埋めてしまえばいい
でも、もし十字架に
耐えられなくなったら
その時は私も一緒に
自主するから」と、
そう言った
俺は思わず
彼女に聞いた
「俺が怖くないのか」と
「俺は人殺しなんだぞ」と すると、彼女は
「あなたを失う方が
怖いわ」
そう言った
でも俺は、
「俺は人を殺したんだ
絶対に許されない事を
しちまったんだ
俺は犯罪者なんだよ」
それしか言えなかった
でも彼女は
微笑みながら
「世界中のみんなが
あなたを許さなくても
私はあなたを許すわ」
彼女は…
彼女だけは…
こんな俺を許してくれた
「でも俺は…
人殺しなんだぞ」
「…構わないわ」
もう……
汚れてしまったんだ……
───それでも
───許してくれると
言うのなら───?
これは長い長い
夢のお話