詩人:中村真生子
雪のさなか雲が切れ塀に宿った一粒の光を朝日が虹の色ごとく輝かせる。その一粒の光を。一粒の種が地で芽吹くように一粒の光が心に芽吹く。幼けないその芽吹きが心に根付くことを願わん。何かわからねど何かよきものが咲くことを願って。未だ遠い心の春の日に。