詩人:右色
愛は理屈じゃない
そう言うけど
理屈にしないと触れることが出来ない
カタチにできない愛なんて
あるかどうか分からないじゃないか
語ることが出来ない愛なんて
苦しいだけの空気だ
それが理屈だというのなら
理屈でいいじゃないか
僕はね
僕の愛を理解してもらう為に
理屈を使うよ
それで僕の愛がとても陳腐なものに
成り下がったとしても
僕は僕の愛を証明してみせる
理屈かどうかなんてのは些細なことなんだ
――唇と唇が結ばれれば
―――そんなこと、どうでもよくなる
理屈がいけないのは
言葉で愛を食い尽くすからであって
愛を語り始めたら
語り終える前に
その唇を結べばいい
そうやって
保たれる
永遠の愛があってもいいじゃないか