詩人:秋庭 朔
テーブルごとに
赤いキャンドルの灯った
レストラン。
薄暗がりに目が慣れて
見回せば、
カップルばかり。
いつもは
一緒にいられるだけで
いい、なんて言うくせに
この日は特別らしい。
普段よりはしゃいでいる
ように見える。
ここで開けてもいいよ?
ニッケルの手錠より
マシだろ?
とプラチナのブレスレッ
トをプレゼンツ。
オマケでネックレス。
犬の首輪より…
うん、
全然イイ!
ありがと!
人の話聞いてないよ、
このシト。
ここのケーキ
お持ち帰り出来るって。
小振りだけど、
流石にふたりじゃ
食べ切れないし。
ん?
あたし食べれるよ?
朔が前にステーキ屋さん
で全部食べ切れないって
わざわざ
お持ち帰りにしたのに、
ケンタのカーネルおじさ
んの手に食べ残しのお肉
挟んで来たでしょ?
あぁ…だって、
右手出してんだぞ?
わたしに下さい、って
声が聞こえたんだ。
はい、コレ。
部屋のカギ
707ってなんかラッキー。
オレ、買い忘れたモノ
あるから、コンビニ
行ってくる
部屋先に戻ってて?
あたし…、
…持ってるよ?
え!?
おヌシ、抜かりがないな
…なんか萎えた(笑)
でも、がんばる。
がんばらないと
デキないの?
いや、
今日のきみキレイだから
今日だけ?
いつもに増して
今日は…。
ありがと。
あ、でも
聖なる夜だから
敢えてシナイのも
いいね?
我慢できる?(笑)
で、出来ませんっ!