詩人:どるとる
泥にまみれ欲にまみれ 油にまみれ
僕は生きる 君は生きる 皆さん生きる
流行りに染まり 愛欲に染まり 悪に染まり
嘘をついて 本音隠して 建て前ぶら下げて
月の夜に 蝙蝠が羽を広げて 飛んでくのを見たとして 僕は何をそこで思うのでしょう
全く意味のない繰り返し 続けて連ねて 築いてく
今日も僕はピエロのように お客さんに愛想振りまいて 拍手と喝采の中
膝をついて 胡座かいて 踏み絵蹴飛ばす
神に逆らい 風に逆らい 法に逆らい
水に溺れ 我に溺れ 人は驕れる
道化師のように 聖者のようにまたはそう
いつもの街いつもの通り見慣れてしまって飽きてしまった神も仏もない所詮 この世は
心は逆さまのまま 滑稽に お利口な自分を演じる
今日も僕は 詐欺師のように自分を騙し拐かして 愛と平和を謳いながら
逆さまの 自分が 鏡に映るよ 月明かりが照らしているのは 夜のほんの一部分
僕やあなたの闇には光はあたらないまま誰かが知らない場所で 涙を流すのもまるでエンディングロールの彼方。