詩人:高級スプーン似
手懐けたハイエナは
虫も殺さない
彼は言う
父はずっと
強い母に付き従ってきた
それが
ぼくらの幸福なのだと
雌の尻に敷かれて
支えきれずに
潰れて死んでしまっても
構わない
だから
遠慮は要りません
彼はそう言って
痩せ細る四脚を畳み込み
尻尾を振った
はやくお尻を
お尻を乗せて下さいと
懇願する彼を蹴飛ばして
わたしは今日も
狩りに出掛ける
時は21世紀
頼りにならない雄ばかり
人類の未来は
女の力にかかっている
磨き抜いたこの牙で
狙った獲物を
捕まえなくちゃ
放置プレイで
喜ぶ馬鹿を
養っていくのは
大変なんだ
わかってくれたなら
次はお前だ
おとなしく死ね