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さみだれの部屋  〜 「ライラ」への投 票 〜

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[175915] ライラ

詩人:さみだれ

心は鉛色の谷を見下ろし
今に砂漠の風に背を押されんとしている
あなたはひたすらに無垢であり
私の手を取って心から支えてくれる
魂が黄金の海原に流され
二度と帰らないその時まで

清められた小川を傍に
遠くからはコムメルシの音楽が聞こえる
心は掬い上げた水を口にし
いよいよ銀色の渡し舟が目の前に現れる
あなたは谷を渡るため
最後の手助けを私に施してくれたのだ

あなたのみが持ちうる私への心が
脈をうち、さらに深く呼吸する
銀色の舟は心をあの時の街まで誘い
そしてあなたはそこにいて
しかも私を抱きしめ
小さく微笑みかけてくださる
待ち人は帰った!
あなたのいるそこへと帰ったのだ


2012/04/24 (Tue)
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