詩人:どるとる
今日も街に朝が来て
人の流れがつづく
この足音の数だけ
笑顔が 涙が 思い出があるんだな
電車に乗って 僕は宛もなく一人 人の優しさやぬくもりを探しに行く
知れば知るだけ人の心の汚さも見えるけれど
知らなければわからない人の心のあたたかさがあるよ
僕は絶え間なく知ってゆく 何気ない日々の中で
「退屈」や「憂うつ」が渦を巻く僕の中
「不安」や「心配」をよそに 君は笑うけど
愛されている 抱きしめている ただそれだけでも幸せなことなのかもしれない
当たり前だったはずの昨日が 突然に消えた命の最後の灯がそっと今消えた
世界中の人の笑顔が明日も変わらなく咲くように願うような心でこの小さな窓からのぞく景色に
僕はすべてあずける
それが明日咲く花
種を落とし蕾を抱いて また新しい物語をそこに描く
この世界に出口はない 名前のない時間がつづく
逃げ場所さえ与えられない僕らは悲しみに泣くことで風に立つだけだ
会社で働くこと 学校で学ぶべきこと そうして積み重ねてきた色んなこと
触れれば触れるほど
わからないのが人の心だけど
触れてはじめて
見えてくる光があるからね
僕は一人向かい風に立ち 絶え間なく明日をこの身で受け止める そのための今を
世界中の差別、飢餓、戦争 それに比べれば僕の悩みなんてちっぽけなんだ
だけれど僕は
この瞳の中に映る今というただひとつの世界がすべてだと思うから 嘘でも偽りでもなく僕は生きると決めたから
僕が明日咲く花になる
種にも蕾にもなり
僕がこの物語に光を描くから
それが明日咲く花
種を落とし蕾を抱いて また新しい物語をそこに描くよ。