詩人:高級スプーン
恋を拾ったり
愛を失ったり
忙しなく恋愛しては
傷物の唄を歌う
そんな彼女の唄は
分かる分かると
共感されたり
分かってないと
批評をされたり
十代後半の彼女に
善くも悪くも
彼等は夢中で
世間の意見を
知ってか知らずか
彼女は唄を歌う
終始
恋に落ちて
愛に泣いて
せかせかせかせか
恋愛唄ばかり創作ってる
同じ自分が自分以外に
3人居る世界なら
切り取った肉片の
それぞれ一小節だけを
読んでみれば
ほぼ全人類が
僕や私に
何かを感じたとか言って
当て嵌まるんじゃないの
でも
気持ちが違うんだって
それはメロディに乗って
辿り着く先の
彼等の耳の奥に
何処まで通じると
言うんだろう
無理しない程度に
演技して
時々手を抜いて
ボロを出してみて
経験談の自己唄を
歌い尽くせば
いつしか
恋も愛もフリになってる
それでもまだ歌うんだ
そういえば
彼女の唄ってさ
どっかで聞いた事がある
そのセリフも
どっかで聞いた事がある
現在を紐解けば
彼等は口々に
好いた惚れたって
飽きた駄目だって
やっぱり釣られてる
だけど
ホントは彼女って
言わない
やっぱやめた