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[180753] 十数年越しのラブレター

詩人:どるとる


なくしていた
嬉しいことに
一緒に笑うこと
ただ楽しむこと

白く染まった
髪の毛が雨に
濡れても
気にしない
ただ遠く見つめてる

テーブルの上
飾られた古い写真
君が見ていたのに
気づいた夜
いつかの笑顔が
そこにあったね

僕らは何かを
長い時間の中で
落としてきたのかな
僕らは何かを
長い旅の途中で
忘れてしまったのかな

ここに咲いていた
愛をもう一度
咲かせてみたい
できるなら
老いさらばえた
この体踏ん張って
君を抱きしめたいよ

だけれどあまりに
突き放しすぎた
僕はまだ蕾のまま
動けない

君を愛してるのに

忘れていたよ
今日あったことを
一緒に話すことや
慰めること

手や顔のシワの数
数えなくても
わかるほどに僕らは
老いてしまったね

本当は君が寂しいのを気づいているのに
何もできない僕に気づいていたんだ
だけれど君の涙見るたび 自分に何ができるのかそればかり考えてしまうから

ふたりの時計は電池をなくしたように動かない
だけれど心は電池を必要としない 気持ちさえあればちゃんと時を刻み動き出す

ここで笑っていた
時間をもう一度
取り戻したい
できるなら
心まで年老いた
僕の目を覚まさせて
愛してると言いたい

ここに咲いていた
愛をもう一度
咲かせてみたい
できるなら
老いさらばえた
この体踏ん張って
君を抱きしめたいよ

そうさ、まだ言える
僕は何か間違ってた
愛は枯れないのさ

こんな僕を愛してくれた君に言いたい
ありがとう 長い間待たせたね

受け取って、十数年越しのラブレター
もう君に寂しい思いはさせないよ

残りの人生僕とどうか生きてください。

2013/02/09 (Sat)
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