詩人:高級スプーン似
鏡から見えない
もう一面のわたくしを
あなた方に見せたいな
試行錯誤してみた結果
こんなの違うと
斬り捨てられて
ごめんなさいと始末した
多面的でなくていい
あなたを望む
あなた以外の人々は
他のあなたに興味はないの
だから
新しい挑戦はこれっきり
他はばっさり処分して
進まないあなたを
提供していって下さいね
思いつきを
閃きと言い放ったり
長年
大切に温めていた自己を
世に出す前に
破棄してしまえ
ねえ
わかっているの?
これは
あなたのためなんだよ
ねえ
ねえっ
ねえってばっ
世間の声を無視して
脱皮するわたしは
出る杭のごとく叩かれる
それでも
(たたん)と
アウトプット
鏡に背を向けて
まだ見ぬ
私と顔を合わせ
あなたに向けて
また言うの
「はじめまして」