詩人:どるとる
その手はなんのためにあるのですか?
この手で何をつかむことが出来るのかな
五本ずつ両手に生えた指で 器用にものをつかんで
時には誰かのために役に立つよ
持てるものは決まってて あまり重たいものは持てず
ひとりの手だけじゃ出来ることは少ない
でも誰かの手を合わせれば ほらね色んなことが出来るんだ
君の手が誰かの手を包むとき 生まれるぬくもりがある
たとえば誰かを愛したとき 痛みと共に絶え間ない喜びが
君のその手を伝って 心に幸せをはこぶよ
手ひとつだけで 色んなことが わかるよ
ふしぎなふしぎなものさ
僕に出来ることがもしもあるのなら
君の役に立ちたいな
だから差し出す 手だよ
人の手は自分のためにあるけれどそのほかの仕事があるとするなら誰かの役に立つためにあると思うんだ
だから今日も明日も僕の手は誰かのために汚れるし傷つく
だけれどその汚れや傷の数だけ
誰かが 笑えたならば 僕は幸せきっと幸せさ
誰かにその手はなんのためにあるの?
そう聞かれたら僕はこう言うだろう
君や僕やみんなのためにあるのさと
だから君も差し出しなさい
誰かの役に立つため
誰かの心つかむため。