詩人:どるとる
悲しみの中にも
光は見える
喜びの中でも
影はつきまとう
やまない雨に
濡れている
明けない夜を
知っている
書物や偉人が
書き残した
言葉に偽りあり
その涙の向こうには
その笑顔の裏側には
壮絶な物語がある
それを誰も知らないままに 今日も君をたやすく貶す
だからせめて そのさみしさに僕は 寄り添おうと微力ながらも 考える
開けっ放しの窓の外
吹き荒れる春の嵐と芽吹きはじめる桜の蕾
君の痛みを残したままで 朝はしずかに明ける
取り残された思いは何処に
夜に添うのは 果てのないうずきと 乾くことのない涙と傷のあと。