詩人:どるとる
消えたいと 黒板に書かれた文字が言うか
消したいと 黒板消しが言うか
黒板に書かれた文字も黒板消しも 互いに自分や他人の存在をそれ程じゃまには思っていない
だからこそ黒板はチョークに身をあずけ
チョークは黒板消しに身をあずけ
文字は書いては消える
世界は黒板ひとつで説明がつく
そして全てはまた元通り
僕は何に身をあずければいいだろう
黒板は何も言わないし僕も何も言わない
ただ何も言わなくても黒板に文字を書く僕の心がきっと身をあずけるということならば
僕も黒板とともにこの世界に存在している。