詩人:どるとる
夜が 夜が おとずれて 何も見えない
闇の中に 目を凝らしても 何も見えない
聴こえない音や触れないもの 一つ一つ
余すことなく 数えて宝物にするのさ
僕は僕の今日を
君は君の今日を
精一杯生きたなら
それで今日は
もうひと段落
押し寄せては 引いてゆく 波のようだね
明けてはまた暮れてゆく 空の彼方に
また 月が 昇る夜は何も見えない
何も見えないのにね
あなたの優しさが
闇の中にそっと
確かに 灯っている
わかるんだ
わかるんだ
この涙さえ
あなたの優しさで
どこかに消えていく
気づけばそこに
朝がやって来て
夢から覚めた僕は
行ってきますと
ドアを開ける
なくした笑顔
追いかけていた夢
そこにあるなら
朝をさがしに行こう
夜を越えて 今。