詩人:トケルネコ
平熱の風が揺れる 美しい午後
シロガネの雲に掛かった青い帽子
フラットな花畑で戯れる蝶々と僕
息つく暇もない!ライオンに追い掛けられ、追いつかれて 振り向くと
ライオンは亀 外はまた雨
奇跡を起こせるミラクルな帽子
砂の上であぐらをかくライオンと僕
踏み切りに昨日の亀が佇んでる
朝から生ぬるいビール 夜に飲んだ何かの安定剤
もう ろうと 滲む 月夜に浮かぶ自転車と僕
もう どこへ 消えたの お気に入りの帽子
息つく暇もない!マントヒヒに追い掛けられ、追いつかれて 振り向くと
マントヒヒはバナナをくれた
奇跡を描けるミラクルな帽子
ジャングルジムに隠れた子供と大人 楽しげに交錯する二人の影
踏み切りは開いたままなのに 朝焼けを見つめる亀を頭に乗せたライオン
向こう側の逆光で誰かがバナナを手に呼んでいる