詩人:蒼白煙
あんなにも
愛しくおもえたのに
鬱陶しくなってしまった
永遠を感じさせるほどの
温度
かじかむ指
消える白い息
苦しみと
気だるさを巻き込んで
凍りつくだけ
寂しさを
知った時から
擦り減る生命に
背を向けて生きてきた
空を流れる雲になりたい、と。
立っている感覚
血の流れ
月の満ち欠け
手の感触
吐息。
何を得ようとも
似たような
温もりばかりが目につく
練り歩く道
残された時間
歯向かい続けようと思ったのだけれど。
人は皆
不自然な世界の中でも
平気な顔をして
歩道をわたっているよ
満更でも無さそうに
見えたままを受け入れて
難しそうな本を手に
目をぎらぎらさせながら
黙々と歩いている
闇を見た気がした
揺れている地面
ようやく理解した
私は独り置いてけぼりをくらったのだ。
を
ん。