詩人:どるとる
街が音を発してる
小さな音から
割と大きな音まで
聴こえない音さえ
僕には聴こえる
静けさの中の
かすかなざわめき
ほらあちこちから
聴こえる街の音
僕は僕のまま 君は君のまま
それだけは変わらずに
明日も当たり前なくらいに そうであるように 誰かの口笛の果てに消えるつかの間の泡沫
夢から覚めて気づく出来事の顛末
悲しみさえ わからないまま過ぎていく
そして街に 朝が来る 僕は朝だと気づくまもなく朝を知っていた それなのに朝は僕に朝が来たと気づかせる
それはそれはまるで街がくれる 見えない幸せのように
カタカタと音を出すありふれた魔法のひびき。