詩人:高級スプーン似
泣き腫らした目で笑って
きみは
この世を出て行った
前触れなく
どしゃ降る雨に撃たれて
今日は何人
死んだのだろう
心の傷は戦友なんだよ
出会いがしらに
胸を打ち
打ち明けられた
思いの丈に
軽く脳震盪
なんて力強さだ
きみの言の葉
右ストレート
とても敵わない
それでも何度も
挑みたくなるような
赤い目をした
きみが笑ったから
あの日
ぼくは
諦めることをやめた
エンドロール後も
続く人生は
くもりのちあめ
曇天からの銃撃戦
それは
甚大な被害をもたらし
惨憺たる結果に
けれども
雲間から覗く
陽光みたいな
輝く笑顔を
忘れられなくて
どんなに沈んでも
ぼくは立ち上がる
痛む傷
胸に抱いて戦おう
友と共に
これからも
あめのちうさぎ
いつの日か
雲間から差すきみと
泣き腫らした目で
笑いあえるまで