詩人:どるとる
電気を消した部屋
かすかに灯る明かりは
小さな豆電球 弱々しく光ってる
鏡に映った 景色は退屈な僕らの日々を鮮やかに映すだろう
今日もまた何かが悲しかったような
うれしかったような気がするよ
とりあえずさよならなんて言ってみたりするんだ
さよならにさよなら出来ずに 僕は
取り残されたままの思いと向かい合わせ
まだ大人になるには歩き足らないよ
今日にさよならしたつもりで 本当は
ちっとも 今日の涙にさよなら出来なくて
鼻歌が台所に聞こえる
君が見つけた音色は
虹色に光って くるくると揺れてる
何ひとつ悪びれることなどあるはず無いのに猫背のまま
明日もまた何かが悲しいんだろうし
うれしいこともそれなりにあるだろう
とりあえず無理矢理にでも歩かなくちゃ
おはようから何ひとつ変わってない
宙に浮いたような意識を引きずりおろせ
早く自分を取り戻さなくちゃたいへんだ
なんでもしっかりやってるようで
出来損ない穴ぼこだらけの日々だ
さよならにさよなら出来ずに 僕は
取り残されたままの思いと向かい合わせ
まだ大人になるには歩き足らないよ
今日にさよならしたつもりで 本当は
ちっとも 今日の涙にさよなら出来なくて
暗がりにぼんやり浮かぶ顔 俄かに何か察したように
あきらめるべきことをあきらめたら
夢の中へ明日を探しに行こう
あとはなるようになるだけさ
そしてその時やっと今日にさよならできる
今日にさよならできる。