詩人:どるとる
楽しみにしていた本日は生憎の雨模様
アスファルトに水玉模様がほらおしゃれだね
街中に咲く七色の傘の花
美しく花開いている
だけれどその花の下でとぼとぼ歩く人たちはみんなちょっと憂うつな顔
街も化粧を落として眠りにつくころには
きっと僕も心の中に降り続いていた雨を受け流すための傘を折りたたんでまたしまうだろう
人はいつも涙のち笑顔で一日を暮らすのさ
一日だって欠かさずに悲しみを抱きしめている
僕は今 悲しみの中
悲しみの雨に濡れている
もう心もからだもびしょぬれさ
街中にあふれているため息を数えても
きっと数えきれないから数えないけれど
きっときっと今日もたくさんのため息と同じくらいの涙が雨とはべつに人を濡らしたのだろう
人の心を冷やしたのだろう
いうなれば悲しみ雨
ふらりふらり
降り出せば
僕はもう
悲しすぎて
楽しい夢さえ見る気もしなくなるよ
足音も立てずに去っていく一日をただ見送ってさ 少し笑うだけ
月が浮かぶ夜空に
誰かの笑顔を重ねてはまた涙があふれて
目覚めても起き上がってもひとりぼっちの世界に降る雨
きっときっと簡単にはやまないだろう
だからねだからね明日もまたひきつづき降り続きます
心の中に雨は降る
見えないだけで
押しつぶされそうなくらい苦しんでいるんだ
ただ、空を見上げては早くやまないかなと殻に閉じこもるように屋根の下で雨宿り
ゆるしてくれなんて言わないよ
だってそのくらい悪いことだとは思わないから
外は雨
だけれど
それ以上に
心はもっとどしゃ降り
他人に見せられないのがちと残念だ
そのくらい
そのくらい
身も心も濡れ鼠さ
カクジツに僕の心は
今や
雨よりも雨
その言葉に尽きるよ
伝えたいのはいつもそんな気持ちなのに
誰も見向きもしない
まるで通り雨のように
僕の雨降りハート
上手にかわしてゆく。