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[183026] 少年の夏

詩人:どるとる


ただ一面 青く染まった空が ひまわり畑の上に 果てしなく広がっている
夏を待っていました
暑さを知らない少年が
あぜ道を駈けてゆく
真っ黒に焼けた肌と
白く残ったシャツのあと
駆け抜けた日々絵日記の中に閉じ込めた少年の夏
虫取り網を手に 麦わら帽子の君が あなたの胸の中にもいるさ
思い出してごらん
瞼閉じたら 誰の胸の中にもそんな少年がいるから

忘れていた 多忙な日々に隠れて 見えなかったいつかの青い空
夕焼け空と蝉しぐれ
麦茶の氷が鳴る どこかに置き忘れた時間
溶けてしまいそうな程暑くて長い夏の坂道
過ぎてしまえばまるで夢の中の出来事のような夏は幻
自転車に乗って 走り抜けて行く在りし日の君があなたに微笑みかけている
窓を開け鳴り止まぬ 蝉しぐれの彼方に浮かぶそんな夏の思い出

夏の思い出。

2013/10/13 (Sun)
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