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詩人:しゅんすけ
努力なんて
突き詰めれば他人にあわせて自分を変態する作業だと
彼女は言った
流行りに被れた化粧と
雲丹のような付け睫が悲しく漂う
自己を正当化する事を否定してしまえるほど
子供でもない
正義を
嘘だとわかって説けるほど大人でもない
彼女はきっと
植え付けられた正しさに抗うことでしか
その洗脳から逃れられないと信じているから
いつものようにそうだねと笑顔をつくる
その瞬間は
彼女こそ幸せになるべきだと心の底から感動しているはずなのに
次の瞬間にはどこのホテルにするか相談している
どうせみんな死ぬんだし
誰かと比べることほど無意味なことなんてないじゃない?
どうせ死ぬんだし
無意味を否定する意味なんて
ないじゃない?