詩人:どるとる
生まれた朝を 割って 飛び出したたまご
殻だけが残った 少しの甘さは罪だよ
はじまりのうた歌う 君の背中近くで
嘘のケーキを 切り分けているのさ
少し 世界が 背伸びした夜に
僕は口を閉じて アンテナを伸ばす
テレビは嘘つき
新聞はごまかしばかり
つまらぬ隠蔽は
破滅を招く
破滅を招く
帰り路は 地獄
鬼が笑う夕暮れ
仏は 説法
人は殺戮の渦中
僕は歌うよ
目の前の血みどろを
僕は歌うよ
自身の死に様を
言葉と声にのせて
はるかな今日へ
いつかの僕へ
未来を届けよう
未来を伝えよう。