詩人:クィルテット
もう外の景色を見ることは出来ないから
もう好きな人と一緒に笑うことは出来ないから
だから残された時間の中で沢山宝物を描くの
好きな場所
好きな物
好きな食べ物
世界で一番好きな人
悲しくならないように
白い部屋を埋め尽くして
こんなものでも
寂しさを紛らわすモノにはなるから
本当はね死ぬのが怖くないなんて
貴方があの子と幸せになってほしいなんて
私が貴方のこと好きじゃないなんて
全部嘘なんだよ。
ごめんね、最後まで嘘しかつけなくてごめんなさい。
死ぬのは怖いよ
本当は誰にも渡したくないよ
誰よりも君のこと大好き
ごめん。ごめんね、ごめんなさい
私が最後に描くのは
貴方と私があの約束の場所で幸せに暮らしている絵
きっと貴方は私の存在なんかいずれ忘れてしまうでしょう
でもこの絵が残っている限り、覚えていて
私は貴方を愛していました。
私は確かに生きていました。
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