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ふぉれすとの部屋  〜 「A Muffler」への投 票 〜

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[66869] A Muffler

詩人:ふぉれすと

冬の雨に打たれながら
自らの行く先を決めた
何処に行こうと俺は俺
この頬を下って流れ行く
雨とも涙とも言えぬ液体が
この星の重力に従って
土に還って逝くように
俺もただ流されて往く

強大な力に逆らう力は
もう残ってはいなかった
その証拠に濡れて震える
このボロボロの身体が
ギシギシ音を立てて歩く
もう自力で遡ることのない
この雨に冷たく染められた
人生という名の坂道を

止むことのない重苦しい雨
道に捨てられた子犬と共に
夢潰えた夜の一時を過ごす
“お前も運がなかったな”
心の中で話しかけるけど
返ってくるのは無垢な鳴声
その時俺に出来たのは
マフラーを巻いてやる事

この雨が上がる頃には
太陽が微笑んでくれるから
それまで俺のその宝物
彼女に貰ったマフラーを
太陽代わりに使えよな
きっと俺よりお似合いさ
汚れた身体の俺よりは
澄んだ瞳のお前には

2006/02/16 (Thu)
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