詩人:ワタナー
私は猫が嫌いだ
あの泣き声 鋭い目 研ぎ澄まされた爪
内に隠した禍々しい狂気
可愛い等と抜かす輩の気が知れない
私の家の近所には猫が多い
それゆえ私が近所に散歩しに行く時は細心の注意を払う
いつ何処から襲ってくるか分からない
散歩は常に命懸けなのだ
運悪く猫と出くわしてしまったら
その時は笑顔を作り敵意がないことを示したほうが良い
下手に刺激して怒らせてしまったら大変なことになる
この間も友人が猫を怒らせて顔を引っ掻かれたと言っていた
その時はそれだけで済んだのだが
下手をしたらあの研ぎ澄まされた爪で首を切られかねない
そこで私は散歩の時に煮干を持ち歩くことにしている
猫に出会ったら与えるのだ
そうすれば猫に嫌われることもなく安心して散歩が出来るのだ
だが予想もしなかったことが起きた
私が散歩しているうちに猫がなついてしまったのだ
後ろからぞろぞろと猫共が付いて来る
足音もなく忍び寄ってくる
いつ襲われるかとハラハラしながら散歩をする
こんな事になろうとはだれが予想できただろうか?
・・・つづく