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詩人:高級スプーン
真っすぐに
立っているのが
つまらなくなり
私は私を
試すようになる
傾き過ぎると
倒れてしまうだろう
私にとっての
これだ、
と云う角度は
何処になるのか
私にばかり
注目していても
始まらないので
周りに目をやると
貴方と目が合う
私という誰かを
貴方は良く思わず
つまらないと云う
貴方という誰かを
私も良く思わず
つまらないと云う
まるで真っすぐに
立っているような
お互い様かと
私は私で
気付かないだけで
周りからすれば
真っすぐに
立っているようにしか
見えていないのでは
道理で
あれこれ試してみても
納得がいかない訳だ
このままいけば
何れ
貴方のように
倒れる事になる
その前に
止めておこうと
貴方から
外方を向けば
其処には
貴方が立っている
あ
ようやく気付く
この世には
私しか居ない
貴方は私だ
つまらない貴方も
倒れる貴方も
傾く貴方も
全て含めて
私なのだと
私の筆を
貴方に向けて
何を問うのか
その答が
私の元に返るまで
私は
貴方と云う私と
向き合って
闘わなければならない
私という誰かを
貴方という私が見る時
つまらないと
思われるのは嫌だから