詩人:猫の影
知らない娘が花を摘んでいた澄んだ空の色口元が微かに緩むそれはマズイと、口走るそのマスタードの造形散ることなどは思案の外柔らかな指先が撫でる知らない風が花を揺らしていた澄んだ夏の色口元を手で覆うこれはマズイと、口ごもるそのマタドールの憧憬死ぬことなどは思案の外柔らかな血と肉が爆ぜる散りぬれど網膜に残る光量そのマスタードの造形散ることなどは想定外柔らかな指先が撫でる知らない風が花を揺らしていた澄んだ夏の色