詩人:どるとる
不器用な指先で描き出した 僕らの毎日
時に優しくなれず あなたを傷つけた
でも気づけば 波のように引いてもまた
押し寄せるように あなたの元へ心は帰りたがる
滲んでゆくように 霞んでゆくように
鮮やかだった僕の毎日は 色あせてしまう
あなたという色をなくして 途端に 物寂しくなったんだ
ペンをとったその日から
時は確かに 終わりへと向かって
動き出していたけれど
鉛筆だけで描かれた下書きの絵のように色味のない 独りだけの喜びや幸せならば
ただでも要らないよ
許されるのならば もう一度あなたの笑顔に帰りたい
24色のどの色鉛筆でも出せない色で
あなたは毎日を染めてくれたんだ
些細なことで 喧嘩した夜は自分ばかり
責めてしまうよ あなたは今どうしてる
流されるままに 流れるように
ただ時の川にはこばれてゆくけれど
ひとりぼっちじゃ答えの出せない 時もあるんだよ
歩き始めた頃から命はほころんで
やがて来る終わりをどこかで知っていた
感情だけで描かれた 心のない絵なんてさ
誰の心も 動かせない あなたと描いてきた毎日は 最後まであなたと
描ききらなくちゃ 二度と完成なんてしないんだから
心重なった その日から
僕らは 愛という意味も知らないままで
ペンをとり描き出した筈だから
許されるのならば もう一度あなたの優しさに包まれたい
鉛筆だけで描かれた下書きの絵のように色味のない 独りだけの喜びや幸せならば
ただでも要らないよ
許されるのならば もう一度あなたの笑顔に帰りたい。