詩人:放射能]
ほら‥今
生命が消えていった
深夜1時
こんなことなら
家から
出なけりゃよかったよ
錯覚だと思った
なのに何故
障害物に
乗り上げたかのように
車は小さく
バウンドしたのか?
その後に
残された物体が何故
夜目がきく俺に
キーちゃんを
むざむざ見せるのか?
こんなことなら
家から一歩も
出なけりゃよかったよ
普段から
車の多い通りには
出さないように
気をつけてはいたが
まだまだ仔猫で
何処までも
ついてこようとする
その危険さは
重々承知していたのに
キーちゃん
享年‥約3ヵ月
キジトラの♀
右目は潰れていたが
健康状態は良
俺を親と
思っているらしく
ついてこれず
俺がナワバリから
出ていってしまった時
悲痛な声で鳴く
もはや
ピクリともしてくれず
あの鳴き声も
スリスリもゴロゴロも
召されてしまったのだ
何故もっと早く
キーちゃんが
ついてきている事に
気づけなかったのか?
目の前で起きた現実を
受け入れられない
この痛みに耐えきれず
すぐ横にあった
駐車場の壁を殴りつけ
俺の右手と
精神状態は更に悪化
こんなことなら
生まれて
こなけりゃよかったよ
こんなことなら‥
こんなことならな‥
俺が
轢かれりゃよかったよ