詩人:甘味亭 真朱麻呂
僕はなぜ生きているんだろう
あのときなぜ死んでしまわなかったろう
僕はなぜあのとき死のうと思ったんだろう
ふと気が付くと
そう考える大人の僕がしぶとく生きていた
これまでの自分を振り返ると
いろんな事が思い出せる
過ちや後悔
叶えられずに終わった夢と理想
現実の厳しさと冷ややかさ
愛することの重さと素晴らしさ
本当にいろんな事を経験してきた
人並みくらいは
いや
人並み以上は
余計に感じてきた
きっと生きていく理由なんてない
生きているというよりは生きるべくして生きているという方が正しい思う
だから僕はどんなに死のうとしても死ねはしない
なぜならそれが要するに運命という奴だから
僕は何もかもを運命のせいにして切り抜けてきた
だから僕は然るべき運命の操作するままに死んでいくだろう
情け深い神がいるならば
僕は長生きするし
容赦ない神ならば
僕は明日にも死んじまうだろう
そう 死ぬときなんてわかんねえんだ
だから 恐いし怯えちまうんだ
だから きっと
生きている理由なんて考えている暇もないほど
切羽詰まった人生を虐げられているんだ