詩人:どるとる
誰かの声がする さよなら交わす声がする
僕も帰ろうかな 寄り道なんかしないで
なんでだろう 帰り道はいつも 切なさで胸がいっぱいになる
通りには 人もまばらで 道草してるランドセル背負った子供たちが歩いてる
電柱に とまっていたカラスも 巣へと帰ってく
さよならがしみてくる 誰もいない公園のブランコが風に揺れて 少しだけ動いた
昼間子供たちが遊んだ 砂場に置き去りにされた バケツとスコップ
何気ない場所に 残ってる幸せの灯りがつくった影
あなたの 今日は 楽しかったかな
おはよう言ったと思ったら日は暮れて
とっぷり 暮れて 夜になりました
闇の中じゃ 何も見えなくて 時々不安そうに猫が鳴くよ
僕の胸も ふるえてるのがわかるんだ 誰にでも等しく今日が楽しい訳じゃないから
涙で濡れた帰り道を歩いてる 人もいるだろう
さよならが押し寄せてくる 今日という小さな貝殻を 時の波が明日へとさらうよ
目を閉じても消えない記憶だけが 僕の頭の中映写機のように回り続けてる
何気ない場所に あるのだろう 幸せという灯りのような光
帰り道ふと立ち止まり見上げた空に星がひとつ流れた
僕には空が流す涙のように見えた
さよならがしみてくる 誰もいない公園のブランコが風に揺れて 少しだけ動いた
昼間子供たちが遊んだ 砂場に置き去りにされた バケツとスコップ
何気ない場所に 残ってる幸せの灯りがつくった影。