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詩人:夢旅人
別れの時に 思い出したのは
なぜか…
出逢った日の はにかむような笑顔だった
共有した 時間の中で
なぜか…
あの笑顔を
思い出したことは なかった気がする
別れの理由は きっと
そんな僕に あるのだろうね
時が 二人の心を近づけて
また 同じように
二人の 心を引き裂いてゆく
風に揺れる 君の髪に
わずかな 迷いを見たようで
思わず 開いた口から洩れたのは
引き止める 言葉でなく
深い自嘲の ため息だった
いつも 陽炎のように頼りない
君の背中が
いま 視界のスクリーンの中を
少し滲みながら 遠ざかる…